今回は、20世紀前半を代表する名ピアニスト、ヴァルター・ギーゼキングが作曲した、「グリーグの主題による変奏曲」をご紹介します。
作品名 | グリーグの主題による変奏曲 |
作曲家 | ヴァルター・ヴィルヘルム・ギーゼキング |
作曲年 | 1938年 |
演奏時間 | 約18〜20 |
ヴァルター・ヴィルヘルム・ギーゼキング(1895年〜1956年)はフランスのリヨン生まれ。両親はともにドイツ人。20世紀前半を代表するピアニストで、多くの録音が残されています。
特にモーツァルトやドビュッシー、ラヴェルの演奏に人気があります。
ピアニストとして活躍するなかで、作曲活動も行っておりました。
作品数は決して多くはないのですが、彼はフルートのために2曲作品を残しました。
今回ご紹介する「グリーグの主題による変奏曲」は、1938年に作曲されました。彼が43歳のときの作品です。
この作品の主題は、グリーグの抒情小曲集第1集Op.12「アリエッタ」が使われました。
ヴァルター・ギーゼキング作曲:グリーグの主題による変奏曲の演奏
1939年に録音されたギーゼキング自身のピアノによる演奏です。
作曲者本人のピアノ演奏で聴けるというのはものすごいことですよね。
バッハやモーツァルト、ベートーヴェンという偉大な作曲家たちの演奏を直接聴いたことがある人は、当時を生きていた人だけですからね。
文明の進化を感じますね。
フルートとピアノの「変奏曲」といえば
フルートとピアノのために書かれた変奏曲で有名なのが、
- ブリチャルディ作曲:ヴェニスの謝肉祭
- シューベルト作曲:しぼめる花の主題による変奏曲
などが有名だと思います。
変奏曲という形は同じですが、ピアノパートに大きな特徴があります。
- フルートのテクニックや表現を際立たせるためにピアノが「シンプル」に書かれている作品。
- どちらの楽器にも高いテクニックと表現力を求め、互いに高め合うように書かれている作品。
このような違いがあると思っています。
この「グリーグの主題による変奏曲」は、圧倒的に後者だと思います。
おそらくギーゼキング自身がピアニストというのが大きく影響しているのではないでしょうか。
グリーグ作曲:抒情小曲集第1集 作品12−1「アリエッタ」の演奏
これが元の作品です。
抒情小曲集は、グリーグが1867年から1903年にかけて作曲された曲集。
全部で66曲あり、6〜8曲に分けて出版されていて第1集から第10集まであります。
晩年のギーゼキングが演奏した抒情小曲集の録音が残っておりますので、こちらもぜひお聴きください。
彼はベートーヴェンの作品全集を録音するプロジェクトの最中に倒れ、そのままこの世を去ってしまいました。
さいごに
この「グリーグの主題による変奏曲」を知ったのは、大学時代の先輩がコンサートで演奏しているのを聴いて知りました。
コンサートであまり聴く機会のない作品ですが、いずれぼくも挑戦したい作品の1つになりました。
このブログをキッカケにいろいろな作品を知ってもらえたらうれしいです。
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