こんにちは!
横浜市神奈川区にてフルート教室とアレクサンダーテクニーク教室をしている岡本元輝です。
フルートを演奏していて「口の中を広くして」と言われたことありませんか??
部活動やレッスンのときに聞いたことがあるのではないでしょうか。
実はこれ、要注意の吹き方なんです。
なぜなら、演奏の不調につながってしまうかもしれないから。
もし、「口の中を広く」を意識して吹くようになってから
- 高い音が思うように出せない
- 音がまとまらない
- 息が続かなくなった
- アンブシュアのコントロールがうまくいかない
などを感じている方はぜひ最後までお読みください。
「口の中を広く」とは?
「口の中を広く」というのは、「オ」と言うときの状態で吹くことです。あくびをするときに近いかと思います。
体の動きとしては、「下アゴと舌の位置が下がって、その上の空間が広くなっている状態」です。
誤解を生みたくないので先にお伝えしますが、 「口の中を広くしてはいけない」というのをお伝えしたい訳ではないのです。
「いつも口の中を広くした状態で吹くのは注意が必要かもしれない」というのをお伝えしたいです。
いつも口の中を広くして吹いている人に多いお悩み
高い音が出しにくい
高い音を出すためには「息のスピード」が必要ですよね。
ただ、口の中を広くすると「息のスピード」が下がってしまいます。
その結果、「息の量を増やして」高い音を出そうとする方が多い印象があります。
息の量を増やすことによって高い音は出るようにはなりますが、
- 音程が高くなりやすくなる
- 音色がまとまりにくくなる
こんなことが起こりやすいと思います。
逆に、息の量は増やさず、口の中を広くした状態で吹くと
- 音程が低くなる
- 高い音が鳴らない。鳴ったとしても、オクターブ下がったりする。
こんなことが起こりやすいです。
息が続かない
口の中を広くした状態で吹くのは想像以上に息を消耗します。
高い音を出すために息を増やしたり、音程が下がらないように増やしたりする必要が出てくるから。
そこに強弱や表現面のコントロールもプラスされるとなると、さらに息の増減が必要になります。
口の中を広くすることに慣れすぎてしまうと、自分でも気づかないうちに、息を使いすぎてしまっている可能性があるかもしれません。
タンギングが苦手
タンギングをするときに口の中が広くなっていると、舌の動きが大きく、発音が強くなりすぎてしまうことがあります。
すると、破裂したような発音になってしまったり、繊細なニュアンスを作れなかったりします。
また、ダブルタンギングやトリプルタンギングのときも動きがバタバタしてしまうため、
音の粒が揃わなくて苦労する、、、なんてことも起こります。
アンブシュアやアパチュアのコントロールがやりにくい
アンブシュアについては、wikipedia大先生の説明がわかりやすいので、ぜひお読みください。
アンブシュア(フランス語: embouchure [ɑ̃buʃyʁ]、英語発音: [ˈɑmbəʃər, ɒmbʊˈʃʊə])とは、管楽器の演奏者が、楽器を吹くときの口の形およびその機能のことである。演奏者の口(または唇、舌、歯、顎、頬、鼻腔、咽喉など)がある特殊な機能を持たされた状態を指すということもできる。呼吸法と並んで、管楽器奏者が身につけるべき最も基本的かつ重要な技術であり、ピッチ(音高)、音色、音域の跳躍などをコントロールするためには、楽器に応じた適切なアンブシュアを身に付けなければならない。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アパチュアというのは、上下の唇の間にできる穴で、息の通り道です。
アンブシュアをコントロールすることで、アパチュアの大きさ(息の通り道)を変化させることができます。
ですが、いつも口の中を広くして吹いていると、アンブシュアやアパチュアのコントロールに欠かせない、口周りの筋肉たちが動かしにくくなってしまうのです。
アパチュアの大きさは息のスピードにも影響が出てくるので、アンブシュアのコントロールはかなり重要です!
お口の中はどうなっている??
ここで、お口の中を観察してみましょう!
やることはとっても単純です!
お口チャックをして、ツバをごっくんしたときに舌全体がどこに当たっているのかを確認しましょう。
おそらく上アゴにべったりとついているのではないでしょうか。
もし「舌が下にいるよ」という方は、こちらの記事を読んでみてください。参考になるはずです。
試してみてほしいこと!
音を出すときに「口の中を広くする」という習慣が身についている方にとって、
超絶違和感を感じると思いますが、ダマされたと思って試してみてほしいことがあります。
試してほしいことはとってもシンプルです。
「いつもより息の量を減らして、口の中を狭めにして音を出す」ということを試してみてください。
カラダの動きとしては、「下アゴを下げすぎずに、舌の位置をなるべく上にした状態で音を出す」というのを意識してみてください。
もし、意識することが多くて大変!という方は、上下の奥歯の距離を少し観察してみましょう。
下アゴが下がっていると、奥歯同士の間に距離があると思います。
その上下の奥歯の距離を少なくしてあげた状態で、息をいつもより減らして吹いてみてください。
なんかいつもよりラクに吹けた!
音の質が変わった!
高い音がラクに出せた!
息が少なくても音が出せるんだ!
みたいな感じで吹けたら大成功です!
ただ、一度深く練習して身につけた「習慣・くせ」は簡単にはアップデートできないのが厄介なところ。
なので、今回は試してうまくいったことを意識して練習を続けてほしいです。
さいごに
僕のところにレッスンにいらしてくださる方で、「高い音が出せないんです」と悩んでいらっしゃる方が多いです。
ほとんどの方が「口の中を広く」を意識していて、アンブシュアのコントロールやタンギングなども苦手と悩んでいらっしゃいました。
この記事でご紹介したことを実際に試してみてもらうと、
いつもよりラクに高い音が出せて、なおかつ響きが増えてツヤのある音が出せるようになってビックリされる方が多いです。
思わず「私、今まで何やってたんだろう、、、。」っておっしゃる方も。
「口の中を広くして吹く」というのは、吹いているときに音がいつもより鳴っている感じを得やすい奏法なんだと思います。
まさか良かれと思ってやっていたことが、自分の首を絞めていたなんて思いもしませんよね。
僕もやっていました。そして、今もふとした瞬間に、無意識的に口の中を広くしすぎてしまったりします。
それぐらい習慣というのは、根深くカラダに身につくんです。
でも、安心してください。一度身についた「習慣・くせ」は、体の動きを意識的に選び取っていくことで少しずつアップデートしていくことができます。
残念ながら、演奏中の口の中で起きていることは、誰も見ることができません。
そこで大事になってくるのは、本人の観察力です。
「口の中ってどうなっているんだろう?」って少し気にしてあげてもいいのかもしれません。
口の中の空間の広さ、舌の位置、タンギングをするときに舌が当たる場所、タンギングしたあとに舌はどこにいるのか、アパチュアの大きさ、アンブシュアの締め具合などなど。
意外といろんなことを観察することができますね。g
長くなりましたが、口の中に限らず、人間は一人一人、骨格も違えば、舌の大きさ、手足の長さ、筋肉のつき方、いろいろ違います。
口の中を広くし続けて演奏しても大丈夫な人も中にはいるかもしれません。
ただ、「いつも口の中を広くして音を出す」というのが体に負担になってしまう可能性もあるということを知ってほしいなと思ってこの記事を書いています。
自分の出したい音色ごとに「口の中の広さとアパチュアやアンブシュアの状態」を、いつも変化しつづける必要があると僕は思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんのフルートライフに少しでもお役に立てていたらうれしく思います♪
無料体験レッスン受付中!
もし、直接相談したいよ!って方は無料体験レッスンも行っておりますので、お気軽いらしてくださいね。
文面だけでお伝えするのには限度がありますし、どのように演奏しているのかを直接みないとあなたに必要なことをお伝えできないのです(泣)
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