【フルートの名曲】グルック作曲:オペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」より精霊の踊り

こんにちは!

横浜市神奈川区にてフルート教室をしている岡本元輝です。

今回ご紹介するフルートの名曲は、クリストフ・ヴィリバルト・グルック作曲のオペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」より精霊の踊りです。

精霊の踊りは、フルート名曲集などにも入っているので、知っている人も多いのではないでしょうか!

作品名オペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」より精霊の踊り
作曲家クリストフ・ヴィリバルト・グルック
生没年1714-1787
初演1762年(ウィーン)・1774年(パリ)
演奏時間6分(精霊の踊り)

クリストフ・ヴィリバルト・グルック(1714-1787)は現在のドイツ生まれの作曲家。

主にウィーンとパリで活躍。

「歌手のテクニックよりも、音楽と物語の親和性を重視した」オペラ作品を発表し、「オペラの改革者」として知られています。

その代表作が、オペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」です。

目次

クリストフ・ヴィリバルト・グルック作曲:オペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」より精霊の踊り

オペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」のあらすじ

オルフェウスという竪琴の名手は、愛する妻エウリディーチェを亡くし悲しみに暮れています。

彼は愛する妻を冥界から連れ戻すため、神々に懇願し、冥界への旅を許されます。

果たして、オルフェウスは愛する妻エウリディーチェを連れ戻すことはできるのでしょうか。

2つのバージョンがあるオペラ

実は、このオペラにはウィーン版(1762年)とパリ版(1774年)の2つのバージョンがあります。

主な登場人物

ウィーン版(1762年) 声種パリ版(1774年) 声種
オルフェウスカストラートテノールまたはオートコントル ※1
エウリディーチェソプラノソプラノ
アモーレ(愛の神)ソプラノソプラノ

ここで注目したいのが、ウィーン版とパリ版によって声種が違うこと。これには時代背景が大きく影響しています。

当時のフランスでは、「カストラート」は嫌悪の対象だったため、使われることはありませんでした。

※1 現代では、カウンターテノール、バリトン、メゾソプラノ、で演奏されることが多いそうです。

「カストラート」とは

少年時代に去勢手術を受けて喉頭の発達を止め、少年の声帯を維持した男性歌手です。
16世紀後半のイタリアに起源を持ち、17~18世紀のオペラ界ではアイドル的存在でした。

現在は、人道的な問題からカストラートは存在しません。

「オートコントル」とは

フランスバロック音楽において、男声が歌う声部の一つを定義するための言葉で、男声の中での高音域のパートを指します。

パリ版で進化した「精霊の踊り」

実は、「精霊の踊り」も2つの版で違いがあるんです。

ウィーン版はヘ長調部分のみで、パリ版では悲しげなニ短調のパートが追加されました。

ニ短調部分か追加されたことにより、ドラマティックになり、多くのフルート吹きに愛される名曲になりました。

クリストフ・ヴィリバルト・グルック作曲:オペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」より精霊の踊り 演奏動画

オペラでの演奏動画で、ニ短調の部分が含まれているバージョンです。

こちらは、ヘ長調部分のみのバージョン。

オペラは演出や振り付けによって全然見えかたが変わってくるのがおもしろいですよね!

ぜひ見てみてくださいね!

さいごに

精霊の踊りは、中学生のときにレッスンで見ていただいたことがある曲ですが、当時はまったくオペラのあらすじや作曲家について知らずに演奏していました。

実は、今年の11月にリサイタルで演奏するために練習しているんですけど、「ほんとうにフルートの魅力がつまっている作品なんだなぁ」って気付かされました。

どんなテンポ感で吹くのか。伸ばしの音をどんなニュアンスで吹くのか。

どう吹いたら精霊の踊りがより魅力的になるのか。

いろんなことを考えながらリサイタルにむけて練習している真っ最中です!

ぜひ聴きにいらしてくださるとうれしいです!

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